2011/11/13

従姉のジマイマ

前回スコットランド訛りの話を書いた後、iPhone4Sが発売されて音声アシスタントSiriが話題になりました。日本人の英語をよく分かってくれないSiriですが、スコットランドの人々もなかなか苦心している模様。何だか親近感が沸いてしまいます(^_^;)

さて本題。 マクスウェルの家系は代々幅広い分野の逸材を世に送り出し、スコットランドの文化と知識の中心的存在でありました。今回はそんな才能溢れる一人、マクスウェルの従姉ジマイマをお題にします。マクスウェルより8歳上で、父方の叔母の娘に当たる人です。家系図はこちら。夫君は数学者ヒュー・ブラックバーンで、その屋敷はマクスウェルはもちろん、ヘルムホルツケルヴィン卿その他各界の著名人が常連客だったそうです。すごいなあ。


彼女自身は画家・挿絵画家として活躍しました。エジンバラアカデミー時代にマクスウェルが寄宿していたのはジマイマの実家です。彼女が身近で描き留めたマクスウェルや親族の日常は、伝記の挿絵となって当時を私達に伝えてくれます。他にもこちらでいくつか、マクスウェルの姿も見える水彩画がご覧になれます。

師であるエドウィン・ランドシーアに「彼女の描く動物は完璧で教えることは何も無かった。ビクトリア時代の最高の挿絵画家の一人になる」と言わしめた彼女。並外れた観察力と記憶力を備えた人で、自然(特に鳥)を題材にした細密で素晴らしい作品を残しています。作品を扱っている画廊を見つけました。可愛い鳥たちを愛でてください。

さて、ジマイマという名前で私が以前から知っていたのは、彼女ではなくピーターラビットのシリーズ作に登場するアヒルでした(^_^;)
このアヒル、絵本など縁の無い方々もどこかで一度は目になさっているのではないでしょうか。


同じ名前、鳥、スコットランド・・・と、偶然にしては共通項が多いなあと思い今回の投稿にあたり調べてみたら、ピンポーン。アヒルのジマイマはこの従姉さんにあやかって名付けられていました。ビアトリクス・ポターは画家ジマイマのファンだったのです!


最後に、いとこ繋がりでマクスウェルの若さいっぱいな逸話をご紹介。

母方の従妹リジー(エリザベス)と恋をして、マクスウェルは彼女に求婚しました。そして承諾された嬉しさで、50マイルの距離を歩いて帰ったのだそうです。約80km…東海道五十三次でいくと、日本橋から小田原です。 何時間かかったのかわかりませんが、なんという浮かれっぷり(笑) 24歳。若さってスバラシイ。
・・・しかし気の毒なことに、血縁が近すぎると周囲から反対されて二人の結婚は実現しませんでした(T_T)

1 件のコメント:

nebiya さんのコメント...

ジマイマさんの絵は、きっと多くの方が必ずどこかで見ていますよね。