2012/07/23

Sam Callanderさん追悼

Sam Callanderさんのことをこのブログでご紹介したいと思っていました。マクスウェルの眠る墓地のある村に暮らし、墓地への記念碑建立や独自のコレクションの展示など幅広くご活躍なさり、長年に渡る研究でマクスウェルについての生き字引のような方ということで。

コレクション収集にまつわるエピソードなど伺えたらと、連絡を試みていたのですが・・・。悲しいことに、お返事をいただくことが叶わぬまま訃報が届いてしまいました。


マクスウェルタータンをお召しのCallanderさん
この可愛らしい「村の郵便局」を営みつつのご活躍でした。

ご冥福をお祈りします。

2012/04/09

Genius of Britain

少し前になりますが、2/22はヘルツ生誕155周年だったそうで、Googleロゴがうねうねと波打っておりました。
どこが G-o-o-g-l-e やねん(^_^;) な、大胆なデザイン。
よく見ると "o-o" に当たるらしい波の幅と高さが揃っています。実はちゃんと、ナントカ信号?のそれぞれのアルファベットを表すような作りだったのでしょうか。お分かりの方がいらしたら教えてください。


この日に限らず、最近のGoogleロゴは普通なのが珍しいほど細工されまくっていますよね。是非、6/13はマクスウェル仕様を期待したいです。

さて、続いても中途半端に古い話なのですが、2010年にイギリスの民放Channel4で放送された "Genius of Britain" という番組をYoutubeで見つけたので、観てみました。副題は "The Scientists who Changed the World" という大層なものですが、本当に錚々たる面々がぞろぞろ出てきて、製作者の誇らしげな様子が目に浮かぶようです。


全4回のうち、マクスウェルが登場するのは第3回↑ The Lights Come On。取り上げられているのは以下の面々です。(括弧内はプレゼンター)

Michael Faraday (James Dyson)
Charles Darwin (Richard Dawkins)
Alfred Russel Wallace (Richard Dawkins)
Isambard Kingdom Brunel (James Dyson)
William Thomson(Lord Kelvin) (Kathy Sykes)
James Clerk Maxwell (Jim Al-Khalili)

番組全体の進行役ホーキングも、マクスウェルのエピソードのプレゼンター Jim Al-Khaliliも、マクスウェルの偉大さを熱く語っていました。本国内での知名度アップにつながったことを祈ります。

内容は是非ご覧いただきたいのでここで書きませんが、1つ注目ポイントを。
マクスウェルのエピソードの中で、Glenlairの管理をなさっているFerguson大佐の愛犬 ( 名前はもちろんToby!) がちらっと登場します。茶色の毛並みがとても綺麗なスパニエルです。見逃さないでくださいね(^_^)
そして、Glenlair Houseを訪問する機会のある方は是非実物に会って、私の分ももふもふしてきてくださいです。

"Genius of Britain" の、英語字幕に日本語ルビ付きになったものがこちらにあります ( 第1回のみ )

2012/01/22

切り絵な物理学者たち

段取りが悪くて、次に投稿を予定しているものがなかなかまとまりません…すごい物を書いてるわけでもないのに。
間が開きすぎて悲しいので、素敵な作品に助けてもらうことにしました(^_^;)

加藤タカシさんという方が、歴史上の人物の似顔絵を創作切り絵にしていらっしゃいます。先月マクスウェルが作品に加わったのを見つけました。



他にも色々作っていらっしゃいます。以下、いくつかご紹介。全て出典元は「キリヌケ成層圏」です。

 

 

 

 

 

 
 

こうして見ると、マクスウェルは「どや」度が低い感じがします。謙虚な人柄が現れているのかな。





2011/11/13

従姉のジマイマ

前回スコットランド訛りの話を書いた後、iPhone4Sが発売されて音声アシスタントSiriが話題になりました。日本人の英語をよく分かってくれないSiriですが、スコットランドの人々もなかなか苦心している模様。何だか親近感が沸いてしまいます(^_^;)

さて本題。 マクスウェルの家系は代々幅広い分野の逸材を世に送り出し、スコットランドの文化と知識の中心的存在でありました。今回はそんな才能溢れる一人、マクスウェルの従姉ジマイマをお題にします。マクスウェルより8歳上で、父方の叔母の娘に当たる人です。家系図はこちら。夫君は数学者ヒュー・ブラックバーンで、その屋敷はマクスウェルはもちろん、ヘルムホルツケルヴィン卿その他各界の著名人が常連客だったそうです。すごいなあ。


彼女自身は画家・挿絵画家として活躍しました。エジンバラアカデミー時代にマクスウェルが寄宿していたのはジマイマの実家です。彼女が身近で描き留めたマクスウェルや親族の日常は、伝記の挿絵となって当時を私達に伝えてくれます。他にもこちらでいくつか、マクスウェルの姿も見える水彩画がご覧になれます。

師であるエドウィン・ランドシーアに「彼女の描く動物は完璧で教えることは何も無かった。ビクトリア時代の最高の挿絵画家の一人になる」と言わしめた彼女。並外れた観察力と記憶力を備えた人で、自然(特に鳥)を題材にした細密で素晴らしい作品を残しています。作品を扱っている画廊を見つけました。可愛い鳥たちを愛でてください。

さて、ジマイマという名前で私が以前から知っていたのは、彼女ではなくピーターラビットのシリーズ作に登場するアヒルでした(^_^;)
このアヒル、絵本など縁の無い方々もどこかで一度は目になさっているのではないでしょうか。


同じ名前、鳥、スコットランド・・・と、偶然にしては共通項が多いなあと思い今回の投稿にあたり調べてみたら、ピンポーン。アヒルのジマイマはこの従姉さんにあやかって名付けられていました。ビアトリクス・ポターは画家ジマイマのファンだったのです!


最後に、いとこ繋がりでマクスウェルの若さいっぱいな逸話をご紹介。

母方の従妹リジー(エリザベス)と恋をして、マクスウェルは彼女に求婚しました。そして承諾された嬉しさで、50マイルの距離を歩いて帰ったのだそうです。約80km…東海道五十三次でいくと、日本橋から小田原です。 何時間かかったのかわかりませんが、なんという浮かれっぷり(笑) 24歳。若さってスバラシイ。
・・・しかし気の毒なことに、血縁が近すぎると周囲から反対されて二人の結婚は実現しませんでした(T_T)

2011/09/20

お国訛り

家庭で教育を受けていたマクスウェルは10歳になってエジンバラアカデミーに中途入学し、初めての学校生活でいきなり同級生たちからのいじめという災難に遭ってしまいます。原因のひとつは彼の「ギャロウェイ訛り」のせいでした。いじめた側も「エジンバラ訛り」やら他のスコットランド訛りだったでしょうに、その中でダメ出しされてしまうギャロウェイ訛りってどんなの? ということで、サンプルを探してみました。

素人判断ですが、このビデオの男性がスコットランド南西部の強い訛りで話しているということで、近いものがあるかも・・・と。何を言ってるのかサッパリわかりません・・・(゚_゚i)・・・



こちらのページのメニュー下、左側の地図からはスコットランド各地の喋りを聞くことが出来ます。

もう一つ、ここでは "The Dream of the Rood" という古英語の詩(現代英語訳)が朗読されています。ダンフリーズの Ruthwell church にある8世紀の石造りの十字架 Ruthwell Cross にルーン文字で彫られていた、最も古い英語の詩だそうです。
授業などで習った記憶は全く無いのですが (忘れているだけ?) この十字架はその古さ、大きさ、彫刻と、キリスト教史上かなりのお宝なはず。地味な田舎ダンフリーズに、こんな秘宝?があったとは・・・。
信仰心あつく、詩も多く残しているマクスウェルが地元のこの十字架に興味を持たなかったはずはない、と思います。

ついでに、スコットランド訛りのワンコ。 ・・・実際、犬にも方言はあるのでしょうか?


映画やドラマのスコットランド訛りは、名古屋弁や東北弁に吹き替えられることが多いようです。19世紀エジンバラ、古めかしい校舎で育ちの良い少年達が「みゃあ」「だっちゃ」と会話するのを想像すると. . .何だか萌えます(^_^;)