2011/03/01

女神の星に


photo: wikimedia
美の女神ビーナスの名を持つ金星の最高峰は、J.C.マクスウェルにちなんで名づけられています。

マクスウェル山(Maxwell Montes)
Montesは複数形(単数形はMons)なので山地か山脈とするべきでは?と思いますが、日本語ではマクスウェル山で通っているようです。エベレストを凌ぐ標高約11㎞、それゆえ、金星上で最も低温な場所です。といっても380 °C (@_@;)
アレシボ電波望遠鏡により高地であることが確認されたのが1967年、その後1978年、パイオニア・ビーナス1号による探査で、金星上で一番高い山であることが確認されました。

photo: NASA

金星上の地名はほぼ全て女性名であり、世界中の女神や著名な女性達が居並ぶ中、アルファ領域、ベータ領域とマクスウェル山の3つだけが例外だといいます。何故そんなことに?と思って調べてみました。


当初(1970年)マクスウェルの名を付けたのはアレシボ天文台で研究中だった Dr. Ray Jurgens という方だそうです。

この名が公式になった経緯は、NASA History Office の To See the Unseen - A History of Planetary Radar Astronomy第6章 に記述を発見。(以下略述)

1975年、IAU(国際天文学連合)のワーキンググループWGPSNにより、金星上の地名の命名テーマが2つ定められた。
テーマ1. 女性名
神秘的な明るい輝きで古代より人々の心を捉え、世界各国で女神の名を得ていることから。
テーマ2.レーダー科学者(故人)名
厚い雲に覆われた金星の探査にレーダーが不可欠であるから。
そしてWGPSNは1979年、レーダー技術の基礎である電磁波の存在を予測したマクスウェルをテーマ2の第1該当者として、また、アルファ領域ベータ領域は金星上で最初に観測され経度の定義の足がかりとなったことで命名テーマの例外として承認した。

Wikipediaには、3つの例外は決まりが出来る前に名前がついてしまったから、と書かれています。実際はそんなところかもしれませんね。でも、レーダー科学者名が2つ目のテーマになっているなら、いつか2人目の男性名が加わる日がやってくるかもしれません。マクスウェルの後に続くのは誰だと思いますか?

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